子供が友達を傷つけてしまったり泣かせてしまったときに、「謝りなさい」と言ってもなかなか謝らないことあると思います。
こんなとき、親としてどうしますか?
結論からいうと、子供の本音を知らずにムリヤリ謝らせると、親としての信頼を失います。
なぜなら、自分のことに関心がない=愛されていない、と思うからです。
じゃあどうすればいいのか?
まずは子供の本音を知ることからはじめましょう。
謝りたくない理由は3つ。
- 何が悪いのかわからない
- 強制されることへの反発
- 謝ってほしいのは大人の都合だとバレている
それぞれの理由を詳しく説明したいと思います。
これを知っているだけで、「なんでこの子は謝らないの?」と感情的にならず、冷静に対応できるようになるはずですよ(*^^*)
音声で聞きたい方はこちらからどうぞ!
<謝らない理由①>何が悪いのかわからない
そもそも、悪いことをしたつもりはない
- たまたま相手を傷つけることになってしまった…
- テンションが上がって・・・つい、やってしまった…
というように、遊んでるうちにうっかり相手を傷つけてしまうことってあると思います。
こんなとき、どういう声かけをしますか?
「そんなんしたら痛いやろ?」
「ごめんは?」
みたいなことを、ついつい言ってしまいがちじゃないですか?
まるで、「悪いことをしたんやから謝らなあかんやろ!」的な感じで。。。
「いやいや、そんなつもりはぜんぜんない」
という反論がありそうですが、そう感じるからしょうがないんです。
子供側からしたら、悪いことをしたような扱いを受けることに「違和感」をもっているんだということも理解してあげてください。
自分だけが悪いわけじゃない
自分だけが悪いわけじゃないパターンとしては、トラブルの「きっかけ」が相手にある場合です。
その「きっかけ」がなかったらこっちも手出してないのに……という、「被害者」のような気持ちが強い状態です。
たとえば、相手が先に手を出してきたとか、ずーっと嫌がらせ的なことをされていたとか、です。
我慢の限界がきて、つい手を出してしまった。。。
しかしそんなことは関係なく、「ケガさせてしまったほうが悪い」となり、怒られるはめになります。
子供からしたら、「えっ!?」ってなりますよね。
だって、先に嫌なことをしてきたのは向こうなわけですから。
- それがなければ楽しく遊んでいたのに・・・とか
- 今までずっと嫌なことに耐えてきたのに・・・とか
そういう思いで頭がいっぱいになり、どうしても謝れなくなるんです。
そう考えると、「悪いの定義」ってよくわからないですよね。
「悪い」って言っても人それぞれ捉え方が違うので。
子供からしたら、「悪いことした」という自分を受け入れるのは、大人が思っているよりも大変でむずかしいこと。
なので、「悪いことをしたから謝りなさい」と言われると、現実を受け止められなくて混乱してしまうんです。
どっちのほうが悪いとかは別の話として、とにかく「相手を傷つけてしまった」という否定できない事実があるということだけ、子供が認識できればいいかなと思います。
<謝らない理由②>強制されることへの反発
人は強制されると反発したくなる生き物です。
他人に自分の行動をコントロールされたくないだろうし、謝るのなら自分の意思で、自分のタイミングで謝りたいと思っています。
これを心理学用語で「心理的リアクタンス」と言います。
心理的リアクタンスとは
何かを選択する自由が外部から脅かされた時に生じる、自由を回復しようとする反発作用のこと
わかりやすく言い換えると、人から何かを強制されたとき、反抗心を持ちやすくなること
反発するのはいいことです。
なぜなら、自分で考えて自分で決断したいという自我の表れだからです。
実際に僕が子供のときも「謝れ」って言われて謝るのは絶対に嫌でした。
本当に悪いと思ったときは、あとで二人きりになったときに「ごめんな」って自分の意思で謝ってました。
相手の気持ちを考えるきっかけさえ与えてやれば、「謝りなさい」って言われなくても謝るんですよ。
それをわかってあげてほしいです。
そもそも、人前で謝ることって「パフォーマンス要素」が強くないですか?
謝ったことを確認する人がいるっていうことは、謝った事実がほしい人にコントロールされているような印象を受けます。
そういう「意図」をなんとなく感じてしまう子供にとって、人前で謝らされるというのはものすごく嫌なんです。
<謝らない理由③>謝ってほしいのは大人の都合だとバレている
- 問題を長引かせたくない
- 早くこの嫌な状態から解放されたい
という大人の本音を、子供は見抜いているということがあります。
「謝ったら済む話やねんから、謝ったらええやん…」
って思うのもわかりますが、これって「親の都合」じゃないですか?
子供からすると、
- 自分の気持ちをわかってもらえない悲しみ
- 無理やり謝らされたという屈辱
が強く残ります。
この場が収まるからといって、自分の気持ちを曲げてまで謝るのはすごく屈辱的ですし、自分の気持ちを否定しているみたいな感じで自己肯定感も下がります。
だから大人の都合で無理やり謝らせるのはダメだし、敏感な子はそういう大人の意図をなんとなく感じて心を閉ざしていくんです。
実際に僕もそうでした。
実は「HSP」だということもあり、こういう大人の意図を敏感に察してしました。
HSPとは
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、心理学者のエレイン・アーロン博士によって提唱された概念。
刺激に対して非常に敏感で、繊細な気質をもって生まれた人、という意味です。
「この人たち、早く謝らせて終わらせたいんやろなぁ…」
っていうことを、子供ながらに感じていました。
でも子供が思っているのは、謝って問題を終わらせることではなく、「自分の気持ちをわかってほしい」ということなんです。
そこが一番大事なんですね。
なのでまずは、
- 今、わかってほしいと思ってることはなんやろ?
- 今、どんなことを感じているんやろ?
- 今、どんな気持ちなんやろ?
ということを、子供の表情とか態度をよく観察して感じ取ってあげてください。
- 問題を長引かせたくない
- 早くこの嫌な状態から解放されたい
という気持ちはいったん横に置いて、子供の気持ちにフォーカスしてあげる。
とにかく言いたいことを全部出させてあげてスッキリさせることが大事です。
そうすることで、子供はすこし冷静に考えられるようになります。
親の言うことを冷静に聞けるようになるし、言葉もスッと入るようになりますよ(*^^*)
まとめ
今回は、子供が謝らない本当の理由について書きました。
簡単にまとめると、
- 何が悪いのかわからない
- 強制されることへの反発
- 謝ってほしいのは大人の都合だとバレている
ということでした。
自分の気持ちを押さえつけられた状態で、親とか先生に「謝りなさい」と強制させられるのは、子供にとってただ辛いだけ。
もちろん、謝ることも大事です。
でももっと大事なことがあると思います。
それは、
相手の気持ちを思いやる心を育てること。
そのためにはまず親が、ありのままの子供の気持ちを聞いてあげて、受容してあげることが大事だと思っています。
それが相手を思いやる心を知る第一歩になるはずですから(*^^*)